中川です。
今回で最終話!
プロコーチ人生10年を振り返ります。
・・
・
気づけば、
「考えるバスケットの会」は10周年を迎えました。
その間、
北は北海道、南は沖縄まで日本全国を巡り、
多くの選手たちと出会い、指導させていただきました。
その中で、
よく聞かれる質問があります。
「中川さん、この子はスゴい!
と思った選手っていますか?」
何人もいますーー。
竹内みや選手、
瀬川琉久選手、
白谷ジャック選手
(他にもたくさん)
次から次に
次世代スターが出てくるバスケ界、
楽しみで仕方ありません。
ですが、
その中でも特に印象に残っている選手がいます。
今思い返しても、、、
彼のインパクトは、凄かったーー。
僕のコーチ人生でも
特に忘れられない思い出となっています。
それが誰かというと、
今、時の人ーー
NBAメンフィス・グリズリーズと契約を結んだ、
河村勇輝選手です。
実は、河村選手、
僕と同じ山口県出身で、
彼の活躍を中学の頃から注目していました。
「柳井に天才がおる。」
そんな噂が県内に広がり、
ミニバスで全国制覇を果たした
彼の名前はすでに有名でした。
それで、、、
河村くんがまだ中学3年で、
彼の地元、柳井市でバスケットクリニックを
開催したんですね。
その場の流れで、
「1対1をやろう!」
ということになりました。
34歳の中川 vs 15歳の河村選手。
始まる真剣勝負。。。
どんな動きをするのかなぁと
全神経を集中して、
彼の一発目の動きを見ました。
しかしーー
「これ、中学生のスピードじゃない・・・!」
最初の一歩目で完全に揺さぶられ、
彼の鋭いムーブとスピード感に翻弄され、
ただただ驚くばかりでした。
その後、
絶対に負けられない
エキシビジョンマッチ、盛り上がりました(苦笑)
会場にいた皆さんの拍手が河村君に注がれ、
「この子はただ者じゃない」と思いました。
ですが、
この話には続きがあり、、、、
彼の本当の凄さは、その後でした。
クリニック終了後、
控室で帰り支度をしている僕のもとに突然、
「失礼します!」
と河村勇輝くんが入ってきます。
そこで彼が言った言葉や表情が
今も頭から離れません。
「中川さん、僕のプレーを見て何でもいいので、気づいたことや改善点があれば教えてください!」
15歳の少年の真剣なまなざし。
その向上心と謙虚さ、感謝の気持ち――
彼はそれらを全身から放っていました。
この時、彼から感じた凄さは、
===========
自分に必要なものを
自ら考え、行動できる力。
============
です。
河村選手の真の強みは、
この非認知能力にあり、
その力こそが
彼を世界レベルにまで
押し上げた要因だと思います。
その後、
福岡第一に進学。
県内にいた頃、
山口を出るか・出ないか
ちょっとだけ進路相談にも
乗らせてもらったのですが、
福岡第一に行くと聞いたときは
ああ、間違いなく一つの時代を
作るだろうなと思いました。
その後の活躍は、
皆さんもご存じの通りです。
BリーグでMVP
日の丸でスタメンを勝ち取り、
日本の舞台を飛び越え、
渡米後わずか1ヶ月で、
NBAとの2way契約を勝ち取りました。
通訳やサポートなしで単身渡米し、
海外の選手に物怖じすることなく、
積極的に自らコミュニケーションを図り、
インタビューにも英語で堂々と答え、
求められればダンスでも
盛り上げ役でも何でもやり、
自分の存在価値を全身でアピール。
コートに立つときは深々と礼をし、
試合中やタイムアウトでも
大きな声でチームメイトを鼓舞し、
出来る努力を全てやりきっている。
あのとき感じた行動力。
そして、
向上心と謙虚さ、感謝の気持ち――
彼は今も変わらず体現しています。
まだ23歳・・
そんな彼の人間性に
現地のファンも魅了されています。
自ら公言した夢や目標を
とんでもないスピードで
実現していく河村選手には、
大谷翔平選手や
イチロー選手のような
凄みを感じています。
身長172cmのバスケット少年がNBAの契約を掴む。
172cmは日本人の平均身長です。
日本の部活動を経て、海外経験なく、
日本のみの育成環境で育った選手が
この道を切り拓いたことがどれだけ偉大なことか。
日本バスケ界にとって、
計り知れないほど価値ある出来事であり、
彼は正真正銘のパイオニアだと思います。
バスケット界に新たな道を切り拓きました。
これからも彼の活躍が
日本中のバスケットボールプレーヤーに
勇気を与えてくれることでしょう。
彼の一ファンとして、
そしてバスケットボールに携わる者として、
これからも応援し続けます。
・・
・
….という感じで、
考えるバスケットの会を
起ち上げてから10年。
これまで
全5回にわたって
プロコーチ人生を振り返ってきましたが、
改めて僕が
バスケットを通じて
伝えていきたいことは以下になります。
=========
”バスケットを通じて考える力を”
===========
バスケットは
人生を学べる場だと考えています。
コート内外で培った
「考える力」は、
人生のあらゆる場面で生きる力になります。
これからも
このスポーツの魅力や
チャレンジすることの価値を
僕の言葉で伝えていきたいと思います。
それでは、
『考えるバスケットの会10年を振り返って』
シリーズこれにて終了となります。
最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました。
中川直之(これからも頑張ります!)
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