バスケのシュートムーブ、「フローターシュート」を知っていますか?
レイアップシュートのバリエーションのひとつで、主に身長が大きくないガードのプレーヤーが使うシュートです。
NBAでは以前からよく見られるシュートですが、近年は日本のBリーグなどでも使用するプレーヤーが増えてきています。
コントロールが難しいシュートではありますが、身に付ければ強力な武器になるシュートです。
こちらの記事では、フローターシュートについて説明していきます。
フローターの打ち方や練習方法などを詳しく解説していきますので、ぜひ最後まで読んで練習に取り入れてみてくださいね!
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このページでお伝えすること
バスケで背の低い選手こそ習得すべきフローターシュート
フローターシュートとは、レイアップシュートのバリエーションのひとつです。
レイアップシュートの種類は、大きく分けて「アンダーハンド」と「オーバーハンド」の2つ。
- アンダーハンドレイアップシュート:通常「レイアップシュート」と言っているもの。ゴールに向かっていき、ボールを下からすくい上げるような形で打つシュート。
ボールコントロールがしやすく確率も高いシュートで、バスケのシュートの基本ともいえる。 - オーバーハンドレイアップシュート:打つまでの動作はアンダーハンドと同じ。ボールを上向きに押し上げるように打つシュート
このオーバーハンドレイアップを、ディフェンスのブロックを越えるように高いループで打つシュートが「フローターシュート」になります。
英語の「FLOAT(フロート)」は「浮かす」という意味。
ボールを浮かすようにフワっと打つため、フローターシュートというわけです。
また、上からそっとボールが落ちてくるのを「涙のしずく」に例えて、別名「ティアドロップ」とも呼ばれています。
では、実際にどのようなシュートなのか動画で見てみましょう。
ドライブからのフローターシュートですが、タイミングを合わせて飛んだはずのディフェンスのブロックは完全に空振りしています。
この動画のように、相手との身長差があっても打てるシュートがフローターシュートなのです。
ちなみに、フローターと同じようにブロックを越える軌道で打つシュートに「スクープシュート」というものもあります。
こちらはアンダーハンドレイアップを高いループで打つシュートになります。
漫画「スラムダンク」で山王工業の沢北が、アメリカで戦うために身につけたシュートといえばわかりやすいでしょうか。
花道に「へなちょこシュート」と名づけられたシュートですね。
もう1つ動画を紹介します。
この動画ではステフィン・カリーがフローターとスクープをシーンによって使い分けています。
スクープシュートはフローターよりもさらに難易度が高いシュートです。
カリーのように自在に使い分けができるようになれば、これは必殺技と言ってもいいレベルのシュートですね。
フローターやスクープシュートは、身長が低いプレーヤーが大きいディフェンスを相手にシュートを打つための工夫です。
バスケのフローターシュートのメリット・デメリット
フローターシュートは必殺技にもなり得るシュートムーブですが、デメリットもあります。
メリット・デメリットをそれぞれ見てみましょう。
フローターシュートのメリット:身長差が関係ない
フローターシュートのメリットは、ディフェンスとの身長差があっても打つことができるということ。
ドライブからの1対1でレイアップシュートを打つシーンを考えてみましょう。
通常のアンダーハンドレイアップシュートの場合、リングに置いてくるように打つためシュートの確立は高くなります。
そのかわり、ディフェンスはタイミングをつかみやすく、ボールの位置も低いのでブロックされる確率も高くなってしまうわけです。
では、フローターシュートだったらどうでしょうか。
高いループで、ディフェンスにブロックされないように工夫して打つシュートなので、ある程度の身長差があっても打つことができます。
ガードのプレーヤーがゴール下にドライブし、待ち構えるビッグマンのブロックを避けて得点できる。
このようなオフェンスのバリエーションを追加できることが最大のメリットと言えます。
フローターシュートのデメリット:シュート確率の低さ
フローターシュートのデメリットは、シュートの確率が低いということ。
フローターのシュートモーションは、途中までアンダーハンドレイアップと同じです。
しかし、ドライブによって前向きにジャンプによって上向きに体が動きながら、繊細なタッチでボールをリリースする技術は簡単ではありません。
理屈では有効なシュートだとわかっていても、高確率で決められるかというとやはり難しいシュートなのでそうはいきません。
この高い難易度がフローターシュートのデメリットというわけです。
ただ、確率が低いから使えないというものではありません。
むしろ、近年のバスケではガードのプレーヤーが身につけるべきシュートのひとつともいえます。
この後の項目で紹介するコツや効果的な練習方法を参考に練習してみてくださいね!
バスケのフローターシュートのコツ3つ!
フローターシュートのコツを紹介しましょう。
ポイントは3つ!
- 手首はスナップしないで固定する
- ヒジは真上に押し上げる
- ボールのリリースは早くする
それぞれ詳しく解説していきますので、こちらの参考動画を見て確認しながら読んでみてください!
コツ1. 手首はスナップしないで固定する
オーバーハンドの形になると、どうしてもジャンプシュートのように最後手首をスナップしてしまいがち。
ですが、フローターシュートの場合は手首をスナップしないで打ちます。
フローターシュートの際、ジャンプ後のボールリリースでスナップしてしまうと、距離のコントロールが非常に難しくなってしまいます。
手首は固定し、指の腹にボールを乗せて、腕で押し上げるように打つようにしましょう。
そうすることで、上にフワッと浮くようなシュートになります。
確認の仕方は、打った後のボールに回転がかかっているかどうか。
スナップしないで打つフローターシュートは、ボールにほとんど回転がかからないのが特徴です!
コツ2. ヒジは真上に押し上げる
こちらも、ジャンプシュートのように腕を前に押し出してしてしまうのを良く見ます。
フローターシュートの場合はボールを上に押し上げて打ちますので、腕は前に振り出さないようにしてください。
フローターシュートは、距離よりも高さを出すことが重要になります。
感覚としては、ヒジを真上に押し上げるように打つこと。
コツ1の、手首の固定とあわせて行うことでしっかりとボールが高く上がりますよ!
コツ3. ボールのリリースは早く
フローターシュートはブロックの上を越えるように打つシュートです。
ディフェンスにタイミングを合わせられないように、ボールのリリースを早めましょう。
通常、アンダーハンドレイアップやジャンプシュートでは、最高到達点でボールを離すため、ジャンプからリリースまで「ため」がありますよね。
フローターシュートでは、最高到達点での「ため」を無くすことが重要です。
ブロックはジャンプの最高到達点でのボールリリースにタイミングを合わせて飛んできます。
いくらフローターシュートといえども、身長差があるディフェンスにタイミングをバッチリ合わせられたらブロックされてしまいます。
ミスマッチの場合は特にタイミングをずらす必要がありますので、ジャンプの最高到達点に達する前にボールをリリースするイメージで打ちましょう!
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バスケのオフェンス力をあげるフローターの練習方法5選
それでは、フローターシュートの練習方法を紹介していきます。
今回は、基礎練習を3つ。
- ゴール下から押し出してシュート練習
- ゴール下でステップを踏んでシュート練習
- ドリブルを入れて前に進みながらの練習
さらに応用の練習を2つ紹介していきます。
- ドライブからフローターシュート練習
- ドライブからジャンプストップでフローターシュート練習
基礎から順を追って練習していってみてくださいね!
早速順番にみていきましょう。
【基礎1】ゴール下から押し出してシュートする練習をする!
まずはステップを踏まず、ゴール下で止まった状態からボールを押し出すようにシュートします。
- ゴール下で止まった状態からボールを押し出すようにシュート
これは、手首を固定して腕で押し上げる感覚を身につける練習です。
ボールリリースは早く、ボールに回転がかからないように高く上げて、上からストンとリングに落ちてくるように打つことを意識して打ちます。
慣れてきたら、その場でジャンプしてフローターシュートを打つ練習をしてみましょう。
【基礎2】ゴール下でステップを踏んでシュート練習!
次に、レイアップシュートの最後のステップを加えてフローターシュートを打つ練習をしましょう。
- シュートを打つ位置から2歩下がり、止まった状態から1・2のステップでジャンプ。
前に動きながらボールを打ち上げる感覚を掴んでください。
距離感が重要になってきますが、どうしても難しい場合はボードを使ってもOKです。
その場合は、通常よりもボードの上の方に当てるようにしてみてくださいね。
【基礎3】ドリブルを入れて前に進みながらフローター練習!
基礎の最後は、フリースローラインより後ろに下がって1ドリブル入れてフローターシュートを打つ練習をしましょう。
- ドリブルからステップしてジャンプ(レイアップの時よりも1歩分遠い位置から)
ドリブルからステップしてジャンプ、というところまではレイアップシュートと同様です。
ジャンプの踏み切り位置は、レイアップのときよりも1歩分遠い位置にします。
ここまでの基礎の練習では、シュートまでのスピードはゆっくりでかまいません。
シュートする位置や、ドリブルからシュートまでのボールコントロールの感覚をしっかり体に覚えこませましょう。
【応用1】ドライブからフローターシュート練習!
ここからは実戦で使えるように、シュートまでのスピードを上げての練習になります。
基礎3の練習を、試合を意識して行ってみましょう。
- スリーポイントライン付近から鋭くドライブ
- ソフトタッチでリリース
スリーポイントライン付近から鋭くドライブし、素早いボールコントロールでありながらソフトタッチでリリースします。
ドライブによって前方向と上方向に力が加わりますので、より繊細なボールコントロールが必要です。
ドライブの勢いをそのままボールに伝えてしまうと、ボールが飛びすぎてしまいますよね。
ジャンプ後はボールの勢いを殺すように、手首を固定して真上に押し上げるようにフワッと離してください。
【応用2】ドライブからジャンプストップでフローターシュート練習!
フローターシュートのもう1つのバリエーションを練習しましょう。
- ジャンプシュートと同じようにジャンプストップしてフローターシュート
レイアップのように前にステップせず、ジャンプシュートと同じようにジャンプストップしてフローターシュートを打ちます。
これは、ステップするとディフェンスと近付きすぎてしまう場合に使うフローターシュートです。
身長の大きいディフェンスに距離を詰められてしまうと、フローターでもブロックにかかりやすくなってしまいます。
そうならないように、少しディフェンスと距離を置いて打てるよう、ジャンプストップからのフローターも身につけるようにしましょう。
ドライブストップから、いつも通りジャンプシュートを打つようにジャンプします。
そこからはオーバーハンドレイアップの形で打ちますので、リリースまでボールは片手でコントロールします。
ここでも、ジャンプシュートのようにスナップしないように、手首は固定して真上に押し上げるように打ってくださいね。
日本人選手でフローターが得意な選手は富樫勇樹選手
所属:千葉ジェッツふなばし(Bリーグ)
身長:167cm
167cmという日本人の平均身長ほどにもかかわらず、世界最高峰のNBAで契約を勝ち取ったプレーヤーです。
オフェンス能力が非常に高いポイントガードで、フローターシュートの名手とも言われています。
フローターシュートは、バスケのコーチをしていた父親からアドバイスを受け、小学校のころから練習するようになったとのこと。
中学時代はすでに自分の武器としてフローターシュートを打っていたそうです。
動画はダラス・マーベリックスのサマーキャンプの際のシャーロット・ホーネッツ戦。
3クオーター終了間際のフローターシュートは、この日のリーグトップ10プレーに選ばれています。
小さい選手がビッグマンのブロックを空振りさせる様子は話題になり、何度も繰り返し放送されていたそうです。
NBA選手でフローターが得意な選手はデリック・ローズ
所属:デトロイト・ピストンズ
身長:188cm
ローズの身長は188cmと、NBAポイントガードの平均身長190cmを下回る身長。
にもかかわらず得点を量産できるのは、ドライブからのフローターシュートのテクニックによるものです。
ローズのフローターは、通常の手首を固定して押し上げるものに加えて、ゴールから離れている場合はスナップしてボールをリリースしています。
手首をスナップするフローターは難易度が高いシュートですが、ディフェンスとの距離やタイミングによって難なく使い分けているのです。
動画を見てみると、ドライブからのシュートはフローターを多用していることがわかります。
ブロックを越えるように打つということがフローターを使う理由ではありますが、それ以上に有効なのがシュートまでの早さ。
モーションが小さくボールリリースが早いことで、通常のジャンプシュートよりもディフェンスが反応しにくいのです。
まとめ
バスケのシュートムーブ、フローターシュートについて解説しました。
NBAでは以前からフローターを打つ選手が多くいます。
今回紹介したデリック・ローズ以外にも、クリス・ポールやカイリー・アービング、ステフィン・カリーなど。
特にポイントガードはフローターを得意としているプレーヤーが多いですね。
ティアドロップが一番上手いのはだれなのか?という議論も定期的にされています。
日本では、富樫選手の登場以来、フローターシュートを使うプレーヤーが増えてきているように思います。
日本代表やBリーグでも見るようになりましたし、高校生Bリーガーとして話題になった河村勇輝選手もフローターが得意な選手です。
フローターシュートは、近年のガードのプレーヤーには必須級のスキルになってきているのではないでしょうか。
ディフェンスを翻弄するフローターシュートは、身長が低くてもドライブからシュートが打てます。
難易度が高いシュートですが、ガードのプレーヤーには非常に有効なシュートです。
今回の記事で紹介したコツや練習方法を参考に、ぜひみなさんも練習してみてくださいね!
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