こんにちは、中川です。
お待たせしました!
『ふつうの中学生が全国2位になったお話。』
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第13話
からの続き。
全国をかけた
中国大会@鳥取初日!
初戦の開始3分で
エース和之を負傷で欠くものの、、、
なんとか勝ち切り
2戦目も突破!
試合を終え、
みんながいっせいに
気にしたのが和之の症状、、、、
「かなりガッツリ酷めの捻挫・・」
「明日コートに
立つのは100%無理・・」
とのことでした。。。(**)
僕らのエースであり、
精神的支柱の和之抜きで
全国をかけた
大 一番に臨むこととなりました。
1年から試合に
出ていたエース和之。
ジュニアオールスターでは
山口を牽引し、
大会優秀選手にも
選ばれている実力者でした。
「和のアイソレーション!」
というオフェンスがあったぐらい
僕らは困ったときは
和でした。
スキルもメンタルも
いつも和之に引っ張って
もらっていたんです。
「なんでこんなときに・・・」
本人が一番悔しく
もどかしかったでしょう。
・・
・
小学校の卒業アルバムに
『プロバスケット選手』と
書いた弟和之、
3年前、
全国をかけた
ミニの県体決勝残り3秒に、
相手のハーフラインからの
ブザビで負けたときは、
人目もはばからず、
一人大号泣していました。
全国への想いは
誰よりも強かったと思います。
・・
・
「明日は大丈夫!
俺らが全国に連れていくけ!!」
何かとエモーショナルな
大下彰一が言いたそうな
セリフですが、
だれも自信を持って
それを言い切ることは
出来ませんでした。
「バスケットは甘くない・・・」
やはり
恐れていた事態が
起こりました・・。
勝てば全国、の大 一番。
準決勝の相手が
かなり強く・・・(><)
ぼくと高橋の即席2ガードが
まったく機能しなくなったのです。><;
「いや、そもそも無茶ブリやけ・・・」
と当時を語る高橋は、
実はドリブルが2回しかつけない
キャッチ&シューター。
パスの視野も異常に狭く、
なぜかロングパスが大の苦手・・・
「何しよんかっちゃ、
高橋!!(山口弁)」
相手にガンガンプレッシャーを
かけられ、煽られ、
もうゲームではなくなっていました。
ボールが上手く回せないし、
おさまらない。
僕もフェイスガードで
徹底マークされ、
完全にガードのところを
狙われてしまったのです。
ただ、
ベンチに代わりに
なる選手はいませんでした。
これは全国を決める大 一番。
僕と高橋が
頑張るしかなかったのです。
「どうすればいいんだ・・・」
僕らは困ったときは
”小林先生のほうを見る”
癖がありました。
僕らよりもずっとバスケの
経験があって
信頼している小林先生が
この状況に
何を思い、
何を考え、
何を僕らに伝えてくれるのか。
これを確認したかったからです。
ただ、、、、
このとき、小林先生が取った一手には
僕らも衝撃を受けました。
・・
・
今の時代、この采配が
どう思われるかは
分かりません。
ただ、
先生があのとき
僕らに一貫して
つらぬいてくれたのは、
「悔いだけは残させたくない」
ということでした。
深夜0時まで
いっさいの妥協を許さず
シューティング練習を課したのも
長い時間、
僕らの練習に向き合ってくれたのも
1日1日手を抜かず、
常に全力を出すよう引き上げてくれたのも
中学の3年間で
後悔だけはさせたくなかったから。
小林先生がその選手を
コートに送り出したとき、
身体に電流が走ったのを覚えています。
足にテーピングを
ぐるぐる巻きにした
双子の弟和之が
何とコートに戻ってきたのです。
・・・
誰がどう見ても
足をひきずっています。
まるで
生まれたばかりの
小羊のよう。
「え、あいつ出すの??」
と会場は
異様な空気に包まれました・・。
当時は
オフェンスの時間が30秒!
いくらディレイドで
やりくりしたとしても・・・
バスケットボールは
ケガ人に合わせてくれるほど、
ゆっくりなスポーツではありません。
且つ、これは
全国を決める戦いです。
ふつうに考えて
あり得ない采配なのです。
ただ、、このときの
小林先生が
発した一言で
僕らの意志は固まります。
断固たる決意というやつです。
「全員で守れーーー!ほーーー!」
片足しか使えない和之が
痛みに顔をゆがませながら
トランジションに
付いてくるのが目に入り、
僕らのギアは最高潮に達します。
「ほーー!高橋ーー!守れい!!」
チーム1の脚力!
チーム1のスタミナ!
チーム1の理不尽に耐えてきた・・w
ディフェンダー高橋が
まず、ここ1番のギアで
ダイナミックに躍動します。
「もうボール運びはしなくていい・・」
いつもの定位置に戻れた
高橋は得意のDFFに完全集中!
和のところを攻め込まれても
鋭い寄りからの
クローズアウトで
外回りを自由に
プレーさせません!
まさに一人で二人を
守っている状態。
ほぼボールと同じ速度で
動いていました・・(笑)
仮に相手に
ペネトレイトを許しても
駆け引き上手な田中が
ファウル手前ギリギリの
ヘルプで粘ります。
その上から
身体能力の高い堺が
ブロックショットにリバウンド!
堺はこのとき、
ボースハンドでダンクが出来る
高さを持っていました。
平面で高橋が圧力をかけ、
立体で田中、堺がガード。
和之が動けない穴を
チーム一丸で埋めました。
「ディフェンスを頑張ったら
必ずご褒美がくる。
バスケとはそういうもんじゃ。」
これは、
小林先生の持論ですが、
まさに
そんな出来事が起こります。
和之をカバーしようと
フルマックスで
DFFを頑張っていたら、
僕らのシュートが
鬼のように決まり始めたのです。
流れを決定付けたのは
このプレー!
スピードが出せない和之は
背中で相手を背負った
ポストプレーで対抗していました。
そこから溜めをつくって
周りにアシストをしていたのです。
そんな和之が
なんと片足だけで
ポストアップを仕掛けて
ゴールをねじ込みます!
「あいつマジ
むちゃくちゃやけ・・」
と、これまで
さんざん和之に
ラフプレーをされてきた
練習パートナー高橋も・・
このときばかりは
味方であることを
誇りに思ったでしょう。
チームのエースの
ケガを押しての
執念のゴールに
会場がグワッと揺れました。
「ほーーーー!」
畳みかけるような
小林先生の雄たけびに
突き動かされ、
僕らはコートを走り続けました。
そのままの勢いで
一気に逆転!!
苦しんだ末に
島根の強豪チームを接戦で撃破し、
10年ぶりの
全国の切符を手に入れたのです!!
「だっしゃーーー!」
この時は
みんなで喜びを爆発させました!!
ベンチの何名かと、
スタンドの保護者の方も
泣いていたと思います。
和がいなければ
まず勝てていない試合でした。
「バスケットは甘くない・・・」
小林先生が
ずっと言い続けてきた現実を
乗り越えることが出来、
このとき
本当に嬉しかったのを覚えています。
次回、中国大会の
決勝戦とその後について、
この物語、
徐々にフィナーレに向かっていきます。
(つづく)
追伸:
和之の捻挫、
鳥取まで応援に
来てくれたエモーショナル大下の
お母さんが寝ずにアイシングを
してくれたんだそうです。
「私もケガで悔いがあるんよ」
体操選手だった過去に、
ケガで悔やまれることがあったらしく、
「捻挫は、初日のケアがとっても大事」
と寝ずに冷やして
くれたんだそうです。
脚をひきずりながらも
和之がコートに立つことが出来たのは、
大下のお母さんのおかげです。
本当にありがとうございました。
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