バスケのディフェンスシステムのひとつ「ゾーンプレス」。
成功すれば試合を決定付けてしまう程のディフェンスで、強豪校では「伝家の宝刀」と呼ばれ伝統的に行っている学校もあります。
漫画でも強いチームの必殺技的に紹介されることが多く、スラムダンクでは山王工業が湘北戦でゾーンプレスを使っていました。
花道たちが何もできずに点差が開いていくシーンは絶望的でしたよね。
今回の記事はゾーンプレスの解説です。
どのようなディフェンスなのか、攻略方法はあるのか、具体的な例を見ながら詳しく説明していきます。
最後まで読んでゾーンプレスへの理解を深めてみてくださいね!
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このページでお伝えすること
バスケのゾーンプレスとは?
バスケのディフェンスは大きく分けるとマンツーマンディフェンスとゾーンディフェンスの2種類。
マンツーマンディフェンスが各個人をディフェンスするのに対し、ゾーンディフェンスはチームで連携してエリアを守るディフェンスです。
もうひとつ、バスケのディフェンスの方法には、オフェンスに合わせる方法と、ディフェンスから仕掛けていくものがあります。
ディフェンス側から積極的にオフェンスにプレッシャーをかけ、ミスを誘うよう追い込んでいくのが「プレスディフェンス」です。
そして、オールコートのゾーンディフェンスでプレスディフェンスを行うのが、今回紹介する「ゾーンプレス」になります。
アメリカの大学バスケットボールリーグ「NCAA」のゾーンプレスの動画を参考に見てみましょう。
このように、ディフェンス側から積極的にしかけていくのがゾーンプレスの特徴です。
ゾーンプレスは試合を決めてしまうほど有効なディフェンスですが、成功させるにはチーム全員の連携やオールコートを走り回れるスタミナが不可欠。
方法は理解していても簡単にはできない、非常に難易度が高いディフェンスなのです。
ゾーンプレスとゾーンディフェンスの違い
2つの違いをまとめると
- ゾーンディフェンス : 相手の得意なシュートを打たせないディフェンス
- ゾーンプレス : ボールをフロントコートに運ばせないディフェンス
ゾーンディフェンスは、主にペイントエリア付近で行うディフェンスです。
目的は「相手に得点されやすいエリアを重点的にチームで連携して守る」ということ。
ビッグマン対策、スリーポイントシュート対策など、相手の得意とするオフェンスに合わせて、ゾーンの形にはいくつかパターンがあります。
一方、ゾーンプレスはオールコートでゾーンディフェンスとプレスディフェンスを行うもの。
一般的に「ゾーンプレス」と略されて呼ばれることが多いですが、正しくは「オールコート(またはフルコート)ゾーンプレス」と言います。
目的は「オールコートで相手にプレッシャーを与えてプレーを制限し、ボールを自由に運ばせずパスカットなどを狙う」ということ。
同じゾーンディフェンスではありますが、このようにディフェンスの種類は全く違うものです。
ゾーンプレスの使い方
自分たちが得点を決めると、相手はエンドからのスローイン。
このときにオールコートでゾーンディフェンスを行い、プレッシャーをかけてフロントコートまで自由にボールを運ばせないようにするのが目的になります。
具体的な例を詳しく見てみましょう。
エンドからのスローインのシーンです。
こちらの陣形はゾーンプレスで良く使われる形で、スローインする前にディフェンスはこの位置に全員配置されている必要があります。
①のディフェンスは極端なポジショニングをしてパスを出すことができる方向を決めてしまい、オフェンスの②にしかパスを出せないようにコントロールします。
次に、コートにボールが入った瞬間に2人でボールマンを挟みます(ダブルチーム)。
オフェンスの②に2人でプレッシャーをかけ、パスを出す方向を制限します。
そして、残りのメンバーはパスが出る相手を読んでパスカットを狙うのです。
②のオフェンスがドリブルやパスができない状況を作れれば、バックコートの8秒バイオレーションを狙うこともできますね。
あくまで一例ですが、このようにディフェンスから攻撃的に仕掛けていくのがゾーンプレスの基本的な戦略です。
ただし、自分たちのシュートが外れた場合は、オフェンスの状況によっては瞬間的にゾーンを組むことができないため、ゾーンプレスを仕掛けることができません。
シュートを決めて、相手がスローインするまでの時間にゾーンを組むことが、ゾーンプレスを成功させる重要なポイントになるわけです。
また、ゾーンプレスは非常に体力を消耗するディフェンスですので、1試合通して行うことは不可能と言えます。
試合の流れを見ながら、ここ一番という場面で行うのが一般的です。
コーチからの指示で瞬時に全員が対応できるよう、チーム内で統一した理解がないと難しいディフェンスですよね。
ゾーンプレスは15歳以下には禁止
2016年度以降、日本のU15についてはルール上ゾーンディフェンスが禁止になりました。
つまり、小学生のミニバスと中学生のバスケでは、マンツーマンディフェンスしかできません。
これは、発達段階の子供たちには基本的な1対1のスキルをしっかり身につけてもらい、将来的なディフェンス力を高めることを目的に定められたものです。
以前まではミニバスでもゾーンディフェンスを行っているチームが多くありました。
学年によって身長差や体力差が大きいミニバスでは、形だけでもゾーンディフェンスをすることで、チームとして何とかなってしまっていたからです。
しかし、このやり方では子供たちの1対1の能力が伸びず、将来的な個人のスキルアップのためにはなりません。
国際的に見ても、日本以外の国ではアンダーカテゴリーのゾーンディフェンスは禁止です。
このような背景から、今後世界で戦えるプレーヤーを育成していくためにも、日本でもU15はゾーンディフェンス禁止が導入されることになったのです。
そして、ゾーンプレスはゾーンディフェンスにあたりますので、中学生までは行ってはいけないことになります。
ルールで決められていますので、試合中にゾーンディフェンスを行ってしまった場合は罰則も。
公式な大会では審判と別に、MC(マンツーマンコミッショナー)がディフェンスについてのジャッジを行っています。
MCがコーチに警告してもゾーンディフェンスをやめない場合は、相手チームにフリースロー1本とマイボールスタートが与えられるのです。
さらに、このペナルティを3回行うとコーチは退場、という厳しい罰則になっています。
ただし、禁止されているのはゾーンディフェンスだけで、マンツーマンであればプレスディフェンスをすることは問題ありません。
オールコートマンツーマンプレスは、根本的な部分はゾーンプレスに近い戦略のディフェンスです。
ミニバスでも、特に強豪チームでは、オールコートマンツーマンプレスを行うチームが多くあるんですよ。
ゾーンプレスを仕掛ける3つのメリット
ゾーンプレスは非常に強力なディフェンスシステムですが弱点もあります。
ここでは、ゾーンプレスをかける3つのメリットを解説していきます。
- 短時間で大量得点のチャンス!
- 決定的な試合の流れをつかむことができる!
- 相手を疲弊させることができる!
まずはメリットについて、それぞれ詳細を見ていきましょう。
1. 短時間で大量得点のチャンス!
相手がボールを運べないように積極的にディフェンスし、パスカットを狙うのがゾーンプレスです。
相手のバックコートでボールを奪えれば、そこから自分たちのオフェンスになるため、得点の機会が大幅に増えます。
ゾーンプレスが成功すれば、短い時間で大量得点をあげられるというわけです。
2. 決定的な試合の流れをつかむことができる!
ゾーンプレスによって大量得点できれば、その時点で負けていれば点差を詰めることができますし、勝っていれば一気に点差を突き放すことが可能です。
短時間で戦況が一変してしまうゾーンプレスは、試合の流れを180度変えてしまうこともあるんですよ。
このように、ゾーンプレスは試合を決定付ける程の「流れ」をつかむことができるディフェンスなのです。
3. 相手を疲弊させることができる!
オフェンスに自由にボールを運ばせないようにするのがゾーンプレス。
思い通りのプレーができなくなれば、なんとかボールを運ぼうとオフェンスの運動量は一気に増えます。
さらに、自分たちはシュートも打てず、途中でパスカットされて大量に失点してしまうと、オフェンスは精神的にも参ってしまいますよね。
時には、戦う意欲を失ってしまうほどに強烈なディフェンスです。
ゾーンプレスは、相手を体力的にも精神的にも疲弊させることができるディフェンスというわけです。
ゾーンプレスを仕掛ける3つのデメリット!
かなり強力なディフェンスシステムではありますが、ゾーンプレスにも弱点はあります。
今度はデメリットについて、それぞれ詳細を見てみましょう。
ゾーンプレスを仕掛ける3つのデメリットはこちら。
- 突破されると失点につながりやすい!
- レッシャーをしつこくかけることから疲労スピードが速い!
- メンバー全員の理解と連携が不可欠なため難易度が高い!
1. 突破されると失点につながりやすい!
ゾーンプレスは、ディフェンスのメンバーがオールコートの各エリアに分散して配置されます。
さらに、ボールのある所ではダブルチーム(オフェンス1人に対してディフェンス2人)になるため、突破されてしまうとディフェンスは非常に手薄になるのです。
ゾーンプレス攻略の練習をしているチームも多くありますので、うまく行かない場合は即座にディフェンスを変更する判断も必要になります。
2. プレッシャーをしつこくかけることから疲労スピードが速い!
オールコートを走り回って相手にプレッシャーをかけていきますので、ハーフコートのディフェンスと比べると遥かにスタミナの消費が激しくなります。
疲れて走れなくなれば、簡単に突破されて失点が増えてしまいますよね。
ゾーンプレスには、試合の終盤でもオールコートを全力で走り回れるようなスタミナが必要不可欠なのです。
3. メンバー全員の理解と連携が不可欠なため難易度が高い!
ゾーンプレスを成功させるためには、ディフェンスのメンバー全員が高いレベルでシステムを理解している必要があります。
そして、全力で走りプレッシャーをかけながら、メンバー同士で連携を取らなければなりません。
普段の練習ではできていても、これを試合中に完璧にこなすのは非常に難しいものです。
また、普通のディフェンスから瞬時にゾーンプレスに変更するシーンもありますので、思考の切り替えのスピードも求められます。
このように、難易度の高さがゾーンプレスのデメリットとなっているのです。
ゾーンプレスはメリット&デメリットを頭に入れてプレイする!
ゾーンプレスのメリットとデメリットについて、それぞれ解説してきました。
ゾーンプレスは非常に強力なディフェンスシステムですが、そのぶんデメリットとなる部分も大きくなってしまいます。
ゾーンプレスを成功させるためには、メリットになる部分はもちろん、デメリットについてもしっかりと頭に入れて練習しなければなりません。
そうすることで、ディフェンスが失敗した際にも、臨機応変に対応できるようになるのです。
ゾーンプレスの全種類4つを解説
ゾーンプレスの陣形には4つの種類があります。
- 1−2−1−1ゾーンプレス
- 2−2−1ゾーンプレス
- 1−2−2ゾーンプレス
- 1−3−1ゾーンプレス
それぞれの陣形に共通して重要になってくるのが「コフィンコーナー」。
これは、サイドラインとエンドライン、センターラインでできるコーナーのことで、オフェンスの弱点となるエリアになります。
この、越えることができないラインに2面を囲まれたコーナーは、オフェンスにとってコフィン(coffin:墓場・棺桶)と呼ばれているのです。
ゾーンプレスでは、ボールマンをコフィンコーナーに追い込むようプレッシャーをかけていきます。
コフィンコーナーの使い方次第で、ゾーンプレスが成功するかどうかが決まるといっても過言ではありません。
ゾーンプレスでは非常に重要なエリアになりますので、しっかり覚えておきましょう!
それでは、それぞれの陣形の特徴も含めて、ゾーンプレスの4つの種類を解説していきます!
1. 「1-2-1-1ゾーンプレス」
「1−2−1−1」は超攻撃的な陣形で、ゾーンプレスの中でも良く見かける形です。
ゴールに近いエリアから積極的にダブルチームでプレッシャーをかけるため、成功すれば短時間で大量得点が狙えるのが特徴。
ダブルチームのプレッシャーによって無理やり出されたパスや、山なりに出された長いパスをカットすることが目的になります。
ただし、自分たちが得点した瞬間にメンバーは各所にセットしなければならないため、ディフェンスの配置が遅れると簡単に突破されてしまうのがデメリットです。
形にはまれば強力な陣形ですので、オフェンスからディフェンスへの切り替えのスピードが重要になる陣形ですね。
また、この後のゾーンプレス攻略法でも説明しますが、1−2−1−1の場合はサイド側へは絶対にドリブルさせないようにするのがポイントですよ!
2. 「2-2-1ゾーンプレス」
「1−2−1−1」と同様に、比較的多くのチームが取り入れているのが「2−2−1」。
「2−2−1」は「1−2−1−1」のようにパスカットを積極的に狙うのではなく、プレッシャーを与えてボール運びに時間をかけさせるのが目的です。
そして、ボールマンがドリブルで突破してくる場合は、コフィンコーナーに追い込みます。
センターラインのコフィンコーナーでダブルチームをかけるため、失敗しても通常のハーフコートディフェンスに移行しやすいのも特徴です。
長いパスは出させないように注意しながら、サイドライン側にドライブさせてコフィンコーナーで仕掛ける、というのが基本的な戦略になります。
3. 「1-2-2ゾーンプレス」
「1−2−2」は日本よりもNCAA(アメリカの大学バスケリーグ)などで使われることが多い陣形。
「1−2−1−1」と「2−2−1」を合わせたような戦略を取ることが可能です。
また、フロントコートにボールを運ばれても、そのまま様々なハーフコートゾーンディフェンスに移行しやすい陣形になっています。
相手のオフェンスのタイプに合わせて、前からプレッシャーを与えたり、時間をかけさせてコフィンコーナーに追い込んだり。
使い分けができる分、ゾーンプレスとしての難易度も高い陣形というわけです。
4. 「1-3-1ゾーンプレス」
ハーフコートで使われる「1−3−1ゾーンディフェンス」を、オールコートに展開したのが「1−3−1ゾーンプレス」。
ゾーンプレスではあまり見ることが無い形ですが、ハーフコートゾーンの発展形として使われることが多いようです。
実際に、アメリカでは1−3−1のゾーンを行う場合、ハーフコートよりもオールコートのほうが主流になっています。
①のディフェンスがボールマンのドリブルをサイド側に追い込み、コフィンコーナーでダブルチームに行くというのが主な戦略。
パスで展開されてもローテーションしてダブルチームに行きやすい陣形になっています。
そのままハーフコート1−3−1ゾーンに移行しやすいというのも特徴です。
ゾーンプレスの5つの対策
ここからは、ゾーンプレスの攻略方法を紹介していきます。
あまりに強力であることから「難攻不落」と思われがちですが、ゾーンプレスの弱点をつくことで突破は可能です。
それでは、ゾーンプレスの5つの対策を見ていきましょう。
【対策1】実はダブルチームはチャンス!
ゾーンプレスはダブルチームによるプレッシャーからミスを誘うのがメインの戦略。
どうしてもダブルチームでプレッシャーを受けると、周りが見えなくなり精神的にも弱気になりがちですよね。
しかし、実はこのダブルチームこそがゾーンプレスの弱点になっているのです。
1人に対して2人ディフェンスが寄っているということは、残りの4人に対して3人でディフェンスしているということ。
つまり、オフボールではオフェンスのほうが人数で有利になっているため、必ずノーマークの味方を作れるはずなのです。
もちろん、この数的不利を理解したうえで、先読みと連携でカバーするのがゾーンプレスです。
プレッシャーを受けて、まわりのプレーヤーがあきらめて足を止めてしまえば、ゾーンプレスは成功してしまいます。
そうすることで周りが良く見れるようになり、意外とあっさりパスが通るようになりますよ。
【対策2】中央ラインが弱点!
ゾーンプレスは、サイドラインやコフィンコーナーを有効に利用して、ダブルチームでプレッシャーをかけるディフェンス。
つまり、ゾーンプレスではボールをサイド側に寄せるように仕向けているわけです。
これをさせないように、コートの中央を突破するのが、ゾーンプレス攻略法の一つになっています。
オフボールのプレーヤーは、フロントコートに行きかけて戻る「フラッシュ」や、ディフェンスの前を横切る「カット」を使い、コート中央でパスをもらいましょう。
ただし、ボールマンがダブルチームなどでプレッシャーを受けてからフラッシュやカットをしていては遅すぎます。
ボールマンがプレッシャーを受ける前にオフボールのプレーヤーが動き回って、コート中央でノーマークを作れるようにすることが重要です。
全員で動き出しを早くして、コフィンコーナーを避けながら、出来る限りコートの中央を使ってボールを運んでいくことを意識しましょう!
【対策3】ディフェンスの間を狙う!
エリアを守るゾーンディフェンス自体の弱点が、ディフェンスそれぞれの間のスペース。
ディフェンスとディフェンスの間にポジショニングされると、自分が行くのか相手に任せるのか、ディフェンス側には選択と迷いが生じます。
この「ディフェンスの間」を狙うのがゾーンプレス対策のポイントです。
ディフェンスの間に入ったとき、そのディフェンスが2人ともパスカットで寄ってきたり、どちらも寄ってこなかったり、ということがあります。
どちらの場合も必ずノーマークのプレーヤーが生まれますので、このチャンスを見逃さずパスを狙いましょう。
どちらかのディフェンスだけが反応したのであれば、それは通常のゾーンプレスが続いていることになります。
1回のチャレンジで失敗と考えず、別の場所でもメンバー全員でディフェンスの間を狙い続けていくことが重要です。
【対策4】出来る限りパスで突破!
ボールマンにドリブルさせてコフィンコーナーに追い込むのがゾーンプレスの戦略のひとつです。
この状況を避けるため、ゾーンプレス攻略には出来る限りドリブルは使わず、中央のエリアで素早いパスをつないでいくことを重視しましょう。
そのためにも、オフボールのプレーヤーは足を止めず、必ずディフェンスの前(ボール側)に出ながら、パスをもらえるように動いてください。
ただし、ゾーンプレス攻略でドリブルが全く使えないというわけではありません。
陣形によってはサイド側のドライブで攻略できるものもあるのです。
「1−2−2−1」のゾーンプレスでサイド側にドリブル突破した状況を見てみましょう。
サイドに抜けた②のドリブラーをコフィンコーナーに追い込むため、④のディフェンスがカバーに寄ります。
そうなるとコートの中央に大きなスペースが出来ますよね。
ドリブラーはコフィンコーナーに追い込まれる前にパスを出せれば、ゾーンプレスは突破したも同然です。
このように、1つのポイントを突破されると崩れやすい、というのがゾーンプレスの弱点ともいえます。
ですが、他の陣形ではこのようにうまくはいきません。
やはりゾーンプレスを相手にドリブルは危険が大きいというのが一般的な考え方になります。
いくらドリブルスキルが高くても、プレスされてコフィンコーナーを使われては突破困難です。
瞬間的な状況判断が重要になりますが、安全に攻略するには出来る限りパスを使うほうがよいでしょう。
【対策5】相手のカバーを遅らせるスピードが大事!
ダブルチームを使って相手のミスを誘うのがゾーンプレス。
パスを受けた後に対応が遅れ、ダブルチームが来るのを許してしまっては相手の思うツボというわけです。
ゾーンディフェンスの攻略には、相手の対応を後手に回すよう、スピードを持ってボールを動かす必要があります。
つまり、ダブルチームやパスカットのカバーが間に合わないように、ボールを持った瞬間にドリブル・パスといったアクションを起こすことが重要なのです。
パスが基本のゾーンプレス攻略ではありますが、ダブルチームがセットされる前にドリブル突破できる状況であれば、ドリブルしてアタックすべきです。
特に、ダブルチームを突破された1−2−2−1ゾーンプレスは、一気に数的不利の状況になります。
そうなると、オフェンスの人数が多いアウトナンバーの形で、イージーシュートにつなげられるようになるのです。
先読みがゾーンプレスの重要な要素ですので、ディフェンスに一瞬の迷いが生じるよう、フェイクをうまく使うのも効果的。
時には、相手が使いたいコフィンコーナーを、逆に利用することも可能です。
ディフェンスの動きが読みやすいのもゾーンプレスの弱点と言えますので、ゾーンプレスの動き方を理解していれば、その逆手を取るのは難しくありません。
早めに動かなければいけないディフェンスの裏をかいて、早いパスでボール運びができるようになれれば、ゾーンプレスはもう怖くないですよ!
スラムダンクで山王工業も使っているゾーンプレス
大人気バスケ漫画「スラムダンク」でも、絶対王者・山王工業が得意とするディフェンスとしてゾーンプレスが登場します。
山王がお家芸としているのは「1−2−1−1」の超攻撃型ゾーンプレス。
これは、山王工業のモデルとなった秋田県立能代工業高校の「伝家の宝刀」としても有名です。
能代工業は1−2−1−1のゾーンプレスからの速攻を武器に、全国大会では現在までに58回もの優勝を手にしています。
スラムダンクでゾーンプレスが描かれているのは、漫画の最終回につながるインターハイ2回戦「山王vs湘北」の伝説的な試合。
前半を終えて2点差で負けている山王は、後半スタートの得点からゾーンプレスで一気に点差を広げていきます。
湘北はコートの4分の1もボールを運べず、何もできずに点差が広がっていく状況は非常に絶望的でした。
湘北のゾーンプレス攻略は、ダブルチームがセットされる前にドリブルで突破するというもの。
スローインのフェイクでダブルチームに行くのを遅らせ、宮城リョータのドリブルスキルで一気にフロントコートまで到達。
その後、十分な点差をつけたこととゾーンプレスを突破されたことで、山王は一旦ハーフコートディフェンスに戻します。
そしてゲーム終盤、試合を決めるつもりで山王が再度仕掛けたゾーンプレスは、宮城のドリブルだけで突破しています。
ゲームも終盤となればスタミナ的にもゾーンプレスを仕掛けるのは厳しい状況です。
宮城のドリブルスキルに加え、ダブルチームのプレッシャーが甘くなっていたため、ドリブル突破を許してしまったのでしょう。
このようにバスケの戦略や選手の状況など細かい描写がされていることも、スラムダンクの人気が今も衰えないポイントのひとつなのかもしれませんね。
ゾーンプレスの描写について、詳細を確認しながら改めてスラムダンクを読み返してみてはいかがでしょうか!
まとめ
ゾーンプレスについて詳しく解説してきました。
ゾーンプレスを成功させるには、チーム全員のディフェンスシステムに対する理解度の高さと高度な連携、そして多大なスタミナが必要です。
今回の記事で解説してきた通り難易度は高いですが、成功すれば非常に強力なディフェンスであることが分かるかと思います。
実際の強豪校が厳しい練習に耐え、代々ゾーンプレスを武器に戦っていることも納得ですよね。
ですが、ゾーンプレスは絶対に破れないものではありません。
逆に、突破されてしまうと非常に脆いディフェンスであるともいえます。
紹介した対応策全てに言えることですが、ゾーンプレスを詳しく知ることで、その攻略法についても理解することができます。
まずはゾーンプレスについてしっかり学ぶことが、攻略の一番の近道なのです!
今回の記事を参考にゾーンプレスについての理解を深めて、ディフェンス・オフェンスともにレベルアップしましょう!
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