【其の九】ふつうの中学生が全国2位になったお話。

Basketball player making a dunk - Sportive man doing a spectacular dunk outdoors

こんにちは、中川です。

お待たせしました!

『ふつうの中学生が全国2位になったお話。』

第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
第8話
からの続き。

県の決勝!

強敵長府中と
残り1分を切って同点!
ゲームを決める超緊迫した
時間に突入しました。

先に抜けたのは
こちらでした!

和之が切り込み、
フィジカルで押し込む。

2点差!!

「ぐおーーーー」

会場が揺れました。

どこまで勝負強いんだ、こいつは・・

キャプテンの児林たちも
ベンチで声を枯らせながら
大声援を送ってくれています。

僕らがこのとき
欲しかったのは
新チームでの優勝でした。

練習をがんばった成果を
なんとしても
カタチにしたかった。。

(2点リード!!)

(このDFF、守りきれば勝てる・・)

(えっ、あの長府中に勝てるかも・・?)

胸の鼓動がドクドク
聞こえてきそう・・・、
それぐらいのテンションで
目の前のDFF1本に集中しました。

「ほーー!守れーー!」

いつも練習で小林先生に
言われ続けてきた、
ここ一番のディフェンスです。

相手インサイドの
エースプレーヤーに
ボールが渡りました。

この選手、
山口県の超実力者で、
長府中を全国3位に
導いた前年の主力メンバー。

小学校から身長がひとり抜けてて
1年から試合にも出てて経験も豊富。

中2にしてベテランの風格すら
漂っていました・・。

マッチアップ
していたのは堺。

これまで簡単に
スコアされてきましたが、
ここでは頑張って守りきりたい・・><

相手の鋭いドライブに対し、
しっかり体を寄せ、
簡単には割らせません。

「ベースラインを割らすな、ほーー!」

と、いつも徹底練習してきた
チームのDFFポリシーを忠実に実行!

よし!
ベースライン際まで
追い込んだ・・!

守った・・!

と思った次の瞬間、

相手エースが後方に
ジャンプしながら
フェイダウェイシュートを
放ってきました!

身体能力の高い堺が
思いきりブロックに
手を伸ばすも、
これはさすがに届かない・・・

・・・・。

外れて
リバウンドを取ればほぼ勝利確定!

と頭に描いた・・

次の瞬間・・

「スパーーーン!」

と残り30秒で
同点に追いつかれてしまいました。

…、、、><

「ぐおーーーーーーーー!!」

と会場がさらに揺れます。

さすが全国区、長府中。
勝負強いです!><

残り30秒・・。

マイボール!

(誰で行く?誰で攻める?)

ボールを運びながら
それだけを考えていました。

…と言っても、選択は一択!

「パスくれパスくれパスくれ」

エルボーゾーンで
思いきり臨戦態勢に入っている、
双子の弟和之しか目に入って
きませんでした。

和之はこういう
シチュエーションで
まったく臆することがありません。

自分がゲームを決めてやろうと
むしろ攻め気満々なのです^^;

「和のとこで来るぞー!!」

相手の監督さんだけじゃなく、
おそらく体育館にいた
誰もがそう思ったでしょう。

「下関東部はそこしかない・・」

相手ベンチの指示で
”和之シフト”のような
極端なポジションを取ってきました。

和が攻め気を見せた途端、
一気にダブルチームで
がぶり寄ろうと、
今か今かと待ち構えているのです。

さあ、どうするっ!!

このとき
僕ら兄弟の間で
テレパシーが行われていました(笑)

二人で決めた作戦はこれです。

「ギリギリで攻めよう!」

慌ててシュートを打ったら
相手に攻撃チャンスを与えてしまうので
最後までじっくり攻めよう、
とアイコンタクトで会話しました。

さらに、ここで
相手を錯乱させる
作戦に出ます。

和之で行く気
満々に見せておいて

一旦僕にボールを返すのです。

攻めるフリして、攻めない。

そして、また和が強引にボールを受ける。

僕から和之へパスを
入れる→返す。
入れる→返す。
入れる・・・

双子の間だけで
行われる奇妙なパス交換。

(当時は30秒ルールなので
これぐらいジックリいけるのです。)

…いや、ぼちぼち
攻めんとマズイやろ!!

会場のみんなが
そんな空気になりかけたとき!!

ついに和之が始動します!!

県大会優勝をかけた
最後のオフェンス。

時間はなんと
残りたったの3秒!

「和で来るぞーー!!」

相手チームが
凄まじい勢いで
和之にダブルチームに
詰め寄ってきました!

「このままじゃ挟まれる!・・・><」

と思った次の瞬間。

強烈に口をとんがらせた和之が
なんと僕にパスを返してきました。

口はこの2文字を
言っています。

「う・てーーー!」

その圧に飲み込まれるように
無我夢中で3Pシュートを投げました。

「打ったーーー!」

会場全体がボールの
軌道を追いかけます。

勝敗の行方がかかった
ラストショット!

これがなんと・・・

「スパーーーーン!」
とリングに吸い込まれるように
ど真ん中を通過していきました!

同時に試合終了のブザーが、、、

劇的なブザビー3Pで
宿敵長府中に
勝利することが出来たのです!

「うおぉーーー!」

と全員が
なだれこんでくる絵を想像
したかと思いますが、

「ほーーー!」

と、浮ついたことを嫌う
小林先生の目の前です。

みんな静かに整列して
挨拶をしました。^^;

新チームで
臨んだ初めての県大会でしたが、
初めて県で1位になることが出来ました。

「オレらでも出来るんだ、、」

ゲームの内容は良くなかったですが、

ただ、
こういう一戦に勝利し、
得られるパワーって大きいです。

僕ら中学生には
大きな自信となりました。

ここから
夏に併せてさらに
ジワジワ成長していきます。

「バスケットには時間がかかる・・」

この言葉の通り、
上手くいくときも
いかないときもありましたが、、、

小林先生の指導が徐々に
芽を出し始めるのです。

次回、県外の
チームとの対戦です。

「このチームには
ぜんぜん勝てる気がしなかった・・><」

また詳しくお伝えしていきます。

追伸:

この試合は
クリスマスに行われました。

終わった後、長府中の監督
池藤先生がうちの母に

「最高のクリスマスプレゼントですね。」

と言ってくださったそうです。

負けた後になかなか
言えない言葉ですよね。

山口県の方なら
ご存知だと思いますが、
若くてエネルギーに溢れてた
池藤先生にもう会えないのは
僕も本当につらく残念です。

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考えるバスケットの会 会長 中川直之
学生・社会人で10度の日本一を達成するなかで培った、”考えるバスケット”を全国のさまざまなプレーヤー、コーチに広める活動を行っています。

視聴者からのコメント

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1 個のコメント

  • やはり池藤先生でしたか。
    自分も大変お世話になりました。
    もう七周忌が近づいております。
    池藤先生のおかげで今もなおバスケットに
    関わらせていただいております。

  • 視聴者からのコメント

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